自律神経の症状でお困りの方

神経の緊張を弛めること

 

自律神経は、交感神経副交感神経からなります。

交感神経は、本来外的から身を守るために必要なシステムです。もし、道端でライオンに出会ったら、脈拍は上がり、身体を緊張させ 戦うか逃げるかをするのに 必要な身体の状態をつくります。現代では、道端でライオンに出会うことはめったにありませんけど。。。

 

例えば人間関係やお仕事で緊張しているとき、心配ごとやストレスを感じている時は交感神経が働いています。逆に副交感神経は、外敵に不安から解消されてリラックスしている状態です。心拍数は減少し、栄養を補うために胃腸の働きも活発になります。安心して眠れる状態です。本来なら、交感神経と副交感神経のオンオフができれば、問題ありません。

 

しかし、現代人では精神的なストレスが多いのです。長期にわたりストレスが続くと 交感神経が緊張しつづける状態になってしまい副交感神経との切り替えがうまくできなくなってしまいます。

 

そのように緊張が続いた神経を鍼や手技のソフトな刺激で、弛めてあげるだけでも、心身の状態は変わってきます。皆さんをみていて感じることは、自分が神経を緊張させているのだと 自覚していない方が多いのです。しかし、身体は正直ですので内面の状態というのは必ず外側にも反映されるのです。逆にいうと、外側の状態に働きかけることでも 

内側の状態に変化を与えられるともいえます。

◆内臓に働きかける

 

東洋療法では、五臓という考え方があります。肝 心 脾 肺 腎 です。東洋療法では、脳が精神状態をつくりだすのではなく、この五臓が支配すると考えます。

 

つまり特定の精神状態になる傾向の人は、五臓のどれかが 疲れやすい状態になっています。だからといって必ずしも、病院の検査で異常が出るわけではありません。東洋療法では、そのように過程して考えた、と解釈してみてください。

 

例えば、几帳面で潔癖性の人、いらいらしやすいような人は、肝臓が疲れやすい人が多く考えすぎたり 思い悩む人は、消化器系が疲れやすい傾向にあります。

 

これらは、問診や脈診などで総合的に判断していきます。そして、その疲れやすい 「臓」に関係のあるツボに鍼、または指圧することで、内臓を元気にして、関連のある精神状態もよくしようというのが東洋療法の考え方です。

◆気のバランスをとる

 

人それぞれ、いろんな癖をもっているように 身体の特定の場所が力んでいたり緊張させたりしています。例えばモヤモヤする感じがすると訴える人がいたとして、額やコメかみの辺りがモヤモヤする人もいれば、胸やみぞおち あるいは喉などにモヤモヤを感じる人もいます。

 

目を酷使する人は、側頭筋や眼の周りの筋肉をよくつかいますから、その辺りが緊張し 人によっては熱をもっています。また、考え事をしやすい人は いつも頭を使っていますから額や側頭部の辺りが緊張しています。(下の図を参照

 

人によって異なるので断定はできませんが、そのように人それぞれ身体を緊張させて 気を滞らせている場所があります。それらの緊張を弛めてあげるだけでも、悪循環から一時的に開放されます。また、そのような自分の癖を知り 客観的に観ることは、とても大事なことです。

 

緊張反応が出やすい部位